AKIMA

ホームページの制作会社と連絡が取れない・倒産したときにやること

公開 HPの困りごと相談室 編集部(株式会社AKIMA)確認:代表取締役 仲井 陽英

自社ホームページの総点検ガイド第7章 / 全8章

先に結論

制作会社と連絡が取れない・倒産したときは、サイトを直す相談より先に、止まると困るもの(ドメイン、サーバー、メール、SSL証明書)の期限と名義を確かめます。特にドメインは、期限が過ぎるとサイトとメールが同時に止まるので、WHOISで期限と登録事業者を見て、必要なら登録事業者に相談します。次に、何が誰の名義かを書き出し、公開中のページの文章や写真を保存します。破産している場合、会社の財産は破産管財人が管理するので、管財人に相談します。名義とデータのめどが立ってから、メールの設定を消さない順番で新しい依頼先へ移ります。

目次
  1. 1最初に確かめる順番:止まると困る4つ
  2. 2何を誰が持っているかの棚卸し
  3. 3ドメインが制作会社の名義だった場合の取り戻し方
  4. 4サーバーとデータを確保する
  5. 5制作会社が倒産したときの連絡先
  6. 6新しい依頼先へ移るときの進め方
  7. 7ケース別の判断
  8. 8よくある質問
  9. 9次に確かめること

最初に確かめる順番:止まると困る4つ

制作会社と連絡が取れなくなったら、「ホームページを直せない」ことより先に、支払いや更新が止まるとサイトやメールそのものが止まるものを確かめます。制作会社が代わりに契約や支払いをしていた場合、期限が来た日に突然止まることがあります。

次の4つを、影響が大きい順に確かめます。

順番

止まるもの

止まると何が起きるか

自分で確かめる方法

相談する先

1

ドメイン

サイトと会社のメールが両方止まる。期限が過ぎて消えると、第三者に取られることもある

WHOISで期限と登録事業者を見る

ドメインの登録事業者

2

サーバー

サイトが表示されなくなる。データが消えることもある

請求書、カードの明細で契約先を探す

サーバー会社

3

メール

メールの受け取りや送信ができなくなる

メールがどのサービスで動いているか(サーバーと同じか、Googleなどか)

メールのサービスの会社

4

SSL証明書

サイトを開く前に警告が出て、お客様が引き返す

ブラウザのアドレス欄から証明書の期限を見る

サーバー会社

ドメインの期限は、.jpや.co.jpならJPRS WHOIS(ドメインの登録情報を誰でも調べられるサービス)で、.comなどはICANN Lookupで調べられます。期限まで1〜2か月を切っていたら、ほかのことより先に、ドメインの登録事業者へ相談してください。SSL証明書の期限の見方はSSL証明書の期限が切れたときの対処で説明しています。

連絡が取れない理由が担当者の不在か、会社の倒産かで、後の進め方が変わります。倒産の知らせが届いていないかも並行して確かめます。

何を誰が持っているかの棚卸し

次に、ホームページに関わるものが誰の名義・管理かを書き出し、「自社だけで動かせるもの」と「名義を取り戻す必要があるもの」に分けます。

項目

確かめる場所

自社の名義・管理だったら

制作会社の名義・管理だったら

ドメインの登録者

WHOIS、登録事業者からのメール

そのまま使える。更新の支払い方法だけ確かめる

登録事業者に相談し、名義を移す方法を聞く

ドメインの契約(支払い)

請求書、カードの明細、登録事業者の管理画面

管理画面のIDを社内で控える

期限と更新の扱いを登録事業者に確かめる

DNSの設定(サイトやメールの向き先)

ドメインかサーバーの管理画面

今の設定を画面ごと保存しておく

中身が見えないので、移行のときに作り直しが要る

サーバーの契約

請求書、サーバー会社からのメール

支払いを続ければサイトは残る

サーバー会社に、契約者でない場合の扱いを相談する

サイトの管理画面のID

社内の引き継ぎメモ、制作会社からのメール

文章や写真を自分で直せる。データも書き出せる

入れないので、公開中のページから内容を保存する

契約書・発注書

社内の書類

著作権やデータの受け渡しの決まりを確かめる

(同じ)書面がない場合は、やり取りのメールを集める

ドメインが制作会社の名義だった場合の取り戻し方

ドメインの扱いは、種類によって状況が違います。

.co.jpの場合:登録者は自社になっていることが多い

.co.jpは、日本で登記している会社が登録できるドメインで、原則1つの組織で1つです。登録者は御社自身で、制作会社が持っているのは手続きの窓口や管理画面のIDだけ、ということがあります。この場合は、WHOISで分かる登録事業者に、登録者として手続きする方法を相談します。本人確認の書類を求められることがあります。

.comや.jpの場合:登録者が制作会社のこともある

登録者が制作会社の名前だと、名義を移すには、ふつうは今の名義人の協力が必要です。まず登録事業者に、使っている会社としてどんな手続きができるかを相談し、倒産していて破産管財人がいる場合は管財人にも相談します。

登録事業者そのものが事業をやめた場合

まれですが、登録事業者が事業をやめることもあります。2006年に.jpの指定事業者の契約が終わったときは、JPRSが新しい指定事業者を決め、登録者へ知らせが送られました。通知が届くメールアドレスが今も見られるかを確かめておきます。

どの場合も、期限が近いなら更新を止めないことを最優先にします。消えると、同じ文字列を第三者が登録できるようになります。名義の確かめ方と対処はドメインの管理者を確認する方法で詳しく説明しています。

サーバーとデータを確保する

サーバーが制作会社の名義だと、支払いが止まった時点でサイトとデータが消えるおそれがあり、サーバー会社からは契約者でないと対応できないと言われることもあります。取り戻せるかとは別に、自社で今すぐ手元に残せるものを保存しておきます。

  • 公開中のページの文章と写真:ページごとに文章を書き写し、自社で撮った写真を保存します。
  • ページのURLの一覧:作り直すときに、古いURLから新しいURLへ転送する設定に使います。
  • お問い合わせフォームの届け先:フォームから送ると誰のメールに届くか。テストで送って確かめます。
  • 管理画面に入れるなら、データの書き出し:WordPressなどは、管理画面から記事や画像を書き出せることがあります。

なお、デザインや、制作会社が書いた文章・撮った写真には著作権があり、契約によって使える範囲が変わります。制作会社がつくったものを新しいサイトに使うときは、契約書を確かめてください(納品物の権利の考え方はホームページ制作会社の選び方で説明しています)。

制作会社が倒産したときの連絡先

倒産と一口にいっても、破産、事業の再建の手続き、廃業など、いくつかの形があり、それぞれ窓口が違います。ここでは、よくある破産の場合について、公的な案内で確かめられる範囲だけまとめます。具体的な対応は、弁護士などの専門家に確かめてください。

  • 破産管財人:裁判所の案内では、破産手続は、裁判所が開始を決め、破産管財人を選び、管財人が会社の財産をお金に換えて債権者に配る手続きです。破産法では、手続きが始まると、会社の財産を管理し処分する権利は管財人に移ると定めています。
  • 管財人の名前の調べ方:破産法では、裁判所は破産手続の開始を決めたら、管財人の氏名などを公告(官報に載せて広く知らせること)すると定めています。官報は、インターネット版で直近90日分を無料で見られます。
  • 管財人がいない場合もある:裁判所の案内では、財産が少ない場合は管財人を選ばないまま手続きを終えることもあるとされています。

管財人には、自社が使っているドメイン、サーバー、データの名義や契約の状況を伝え、どう扱えるかを相談します。それらが破産した会社の財産にあたるか、どう引き継げるかは個別の事情によるので、ここでは断定しません。契約書や請求書、やり取りのメールはまとめて残しておきます。

新しい依頼先へ移るときの進め方

名義とデータのめどが立ったら、新しい依頼先へ移ります。一番多い事故は会社のメールが止まることなので、次の順番で進めます。

  1. 今のDNSの設定を書き出す:見られる場合は、メールの受け取り先や、Googleなどの認証の記録を、画面ごと保存します。
  2. 新しいサイトを準備する:保存した文章と写真をもとに、新しい依頼先でサイトをつくります。
  3. Webの向き先だけを切り替える:メールの設定には触れず、サイトの向き先だけを新しいサーバーへ変えます。
  4. 切り替えた日に確かめる:サイトが「https://」で警告なく開けるか、社外から会社宛てにメールが届くか、フォームから送って届くかを見ます。

AKIMAが2026年10月に自社サイトを公開したときも、ドメインを登録しているバリュードメインの管理画面で、今あるメールや認証の設定を消さずに残し、新しいサイト(Vercel)へ向ける行と、Search Consoleなどの認証の記録を足す、という順番で切り替えました。SSL証明書は公開先で自動で発行されました。ドメインを別の事業者へ移す必要があるときの手順と注意点はドメイン移管の手順と注意点にまとめています。

次の依頼先には、ドメインとサーバーを自社の名義にできるか、管理画面のIDを自社にも渡してもらえるか、解約時にデータを受け取れるかを最初に聞いてください。自社で文章や写真を変えられるようにしておくのも備えになります(ホームページを自分で更新できるようにするには)。

ケース別の判断

状況

判断の目安

最初にやること

ドメイン・サーバーとも自社名義

自社だけで移れる。急ぐ必要は小さい

管理画面のIDを控え、新しい依頼先を探す

ドメインは自社名義、サーバーは制作会社名義

データの確保を急ぐ

公開中のページを保存し、新しいサーバーを用意する

ドメインもサーバーも制作会社名義

名義を取り戻す手続きが先。時間がかかる

WHOISで期限を見て、登録事業者とサーバー会社に相談する

制作会社の倒産が分かった

窓口は破産管財人などになる

官報や届いた通知で管財人を確かめ、取引の記録をまとめる

担当者と連絡がつかないだけで、会社は続いている場合

代表の窓口や書面での問い合わせも試し、名義の移し替えやデータの受け渡しの依頼は記録が残る形で伝えます。返事を待つあいだも、ドメインの期限とデータの確保は進めます。

個人の制作者(フリーランス)と連絡が取れない場合

まずドメインとサーバーの名義と期限を確かめ、名義がその人のままなら、登録事業者とサーバー会社に、使っている会社としてできる手続きを相談します。

期限が迫っていて、名義も分からない場合

作り直しの相談より先に、ドメインの登録事業者へ連絡し、期限までに更新できる方法を聞きます。サイトを新しくするのは、ドメインを守ってからで間に合います。

よくある質問

制作会社が倒産したら、ホームページはすぐに消えますか?

すぐに消えるとは限らず、支払い済みの期間は表示され続けることが多いです。ただ、次の更新や支払いのときに止まるおそれがあるので、期限を確かめ、データを保存しておいてください。

前払いした制作費や保守費は返ってきますか?

破産の場合、会社の財産は管財人が管理し、債権者に配る手続きになります。前払いした分がどれだけ戻るかは手続きの中で決まるもので、ここでは言い切れません。管財人からの通知を待ち、分からない点は管財人や弁護士に確かめてください。

今のホームページの見た目をそのまま、別の会社で使えますか?

デザインには著作権があり、契約で権利をどう決めたかによります。自社で用意した文章や写真は使えることが多いので、まずはそれを保存し、デザインは新しくつくる前提で考えると進めやすくなります。

連絡が取れない制作会社に、勝手に別の会社へ頼み替えてもよいですか?

頼み替えること自体はできますが、契約の期間や解約の決まりが残っていることがあります。契約書を確かめ、解約や名義の移し替えの依頼は記録が残る形で送っておきます。

次に確かめること

警告・SSL・ドメイン・契約を順に見直すなら自社ホームページの総点検ガイド、ドメインの更新料金や届いた案内の見分け方はドメインの更新料金と、届いた案内の見分け方、制作会社との困りごとは制作会社・HPの管理の困りごとにまとめています。作り直すかどうかの判断軸は中小企業のホームページリニューアル完全ガイドで説明しています。

AKIMAの「HPもう、つくってます」は、今のHPをもとにつくり直した案を先にお見せするサービスで、ドメイン・メールの確認と移行の代行、サーバー・SSL・保守を月額に含めています。料金は初期費用0円・月額19,800円(税別)で、契約は12か月ごとの自動更新、期間中に解約する場合は残りの月数分を一括で支払う条件があります。初月(お申し込み日から1か月)は無料で、その期間中は0円で解約できます(お申し込みにはクレジットカードの登録が必要です)。今のHPの状態はHP年齢診断で確かめられ、料金の詳細は料金のページにあります。

この記事の一次情報

・「新しい依頼先へ移るときの進め方」の手順は、AKIMAが2026年10月に自社サイトを公開したときに、バリュードメインの管理画面で既存のメール・認証のDNSレコードを消さずに残し、新しいサイト(Vercel)へ向ける行とSearch Console・Resendの認証TXTを追記した実際の作業です。SSL証明書は公開先で自動発行されました。 ・料金と条件は、AKIMAの実際の料金条件(初期費用0円・月額19,800円税別、12か月の自動更新、中途解約は残月数分一括、初月無料で期間中は0円解約、クレジットカード登録必須)と、月額に含まれる内容(ドメイン・メールの確認と移行の代行、サーバー・SSL、保守)です。

出典

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