SSL証明書の期限切れで警告が出たら|確かめ方と直し方
公開 HPの困りごと相談室 編集部(株式会社AKIMA)確認:代表取締役 仲井 陽英
先に結論
SSL証明書の期限が切れると、自社サイトを開く前に「この接続ではプライバシーが保護されません」という警告が出て、お客様の多くはそこで引き返します。データが消えたわけではなく、新しい証明書を入れれば元に戻ります。まず自分の端末の時計が正しいかを確かめ、別の端末でも警告が出るなら、証明書を管理している制作会社かサーバー会社に更新を頼みます。無料の証明書も暗号化の強さは同じですが、有効期間が短いので自動更新が前提です。直したら、次の期限と担当者を決めておきます。
目次
SSL証明書の期限が切れると何が起きるか
SSL証明書は、ホームページとお客様のブラウザのあいだの通信を暗号化し、「このサイトは本物です」と示すための電子的な証明書です。アドレスが「https://」で始まるサイトは、この証明書を使っています。証明書には有効期間があり、期限を過ぎると、ブラウザはそのサイトを「安全とは確かめられない」と判断します。
期限が切れたときに起きることは、主に次の3つです。
- ページを開く前に警告画面が出る:Chromeでは「この接続ではプライバシーが保護されません」という全面の警告が出て、そのままではページが表示されません。多くの人はここで引き返します。
- お問い合わせフォームが使われなくなる:警告を無視して進む人はまれです。フォームそのものが動いていても、問い合わせは止まったのと同じ状態になります。
- 会社への信用が下がる:「乗っ取られたのでは」「もう営業していないのでは」と受け取られることがあります。
一方で、期限切れは「ウイルスに感染した」「情報が盗まれた」という意味ではありません。中身のデータが消えたわけでもないので、証明書を新しくすれば元どおり表示されます。慌てず順に確かめます。
期限切れかどうかを確かめる方法
警告が出たからといって、必ずしもサイト側の期限切れとは限りません。見ている側のパソコンやスマホが原因のこともあります。次の3つを順に確かめます。
1. 警告画面のエラーの文字を見る
Chromeの警告画面には、「NET::ERR_CERT_DATE_INVALID」のような英語のエラーの文字が小さく出ます。Chromeのヘルプでは、このエラーや「時計が遅れています」「時計が進んでいます」という表示は、パソコンや端末の日付と時刻が正しくないときに出ると説明されています。まず、見ている端末の時計が今日の日付になっているかを確かめてください。
2. 別の端末・別の回線で開いてみる
時計が正しいのに警告が出るなら、スマホのモバイル回線など、別の端末・別の回線で開きます。どれで開いても同じ警告が出るなら、サイト側の証明書に問題がある可能性が高いと考えます。社内のパソコンだけで出る場合は、社内のネットワークやウイルス対策ソフトが原因のこともあるので、社内の管理担当に相談します。
3. 鍵マークから証明書の有効期間を見る
パソコンのChromeでは、アドレス欄の左にあるアイコンを押すと、そのサイトの接続の情報が出ます。そこから証明書の詳細を開くと「有効期間」の開始日と終了日が確認できます。終了日が過ぎていれば期限切れです。警告が出る前でも、ここで終了日を見ておけば、いつまでに更新が要るかが分かります(表示の場所はブラウザの版で少し違います)。
見えている状態 | 考えられる原因 | まずやること |
|---|---|---|
自分の端末だけで警告が出る | 端末の日付・時刻のずれ、社内ネットワーク、ウイルス対策ソフト | 端末の時計を直す。別の回線で開いて比べる |
どの端末・回線でも警告が出る。有効期間の終了日が過ぎている | サイトのSSL証明書の期限切れ | サーバーか制作会社に更新を依頼する |
どの端末でも警告が出る。終了日はまだ先 | 証明書のドメイン名の不一致、設定の誤りなど | エラーの文字を控えて、サーバー会社か制作会社に伝える |
警告は出ないが「保護されていない通信」と出る | そもそも証明書が入っていない(httpのまま) | SSL化(https化)を進める |
最後の「保護されていない通信」は期限切れとは別の問題です。意味と直し方は「保護されていない通信」と自社サイトに出たらで説明しています。
直し方:証明書の更新と、自動更新の仕組み
期限切れを直すには、新しい証明書を発行してサーバーに入れ直します。会社の側で何をするかは、証明書の種類と、更新の仕組みによって変わります。
有料の証明書と無料の証明書
証明書には、認証局(証明書を発行する機関)にお金を払って買うものと、無料で発行されるものがあります。無料の代表がLet's Encryptです。Let's Encryptは非営利の団体で、証明書の発行に料金はかかりません。ただし公式のFAQでは、ホスティング会社などがサービスとして扱う場合に手数料がかかることがある、とも書かれています。
中小企業の会社案内のサイトであれば、無料の証明書でも通信の暗号化の強さは変わりません。有料の証明書には、会社の実在を確かめて発行される種類や補償付きの種類があります。無料だから危ないということはありません。
無料の証明書は「自動更新」が前提
Let's Encryptの証明書は、標準で有効期間が90日です。公式のFAQでは、90日の証明書は60日ごとに更新することをすすめています。90日ごとに人が手で入れ替えるのは現実的ではないため、サーバー側の仕組みで自動的に更新するのが前提になっています。多くのレンタルサーバーやホスティングのサービスには、無料の証明書を自動で発行・更新する機能があります。
有料の証明書も、これからは有効期間が短くなります。ブラウザの会社と認証局でつくる業界団体(CA/Browser Forum)は、証明書の最長の有効期間を398日から段階的に短くし、2029年3月までに47日にする案を2025年に可決しました。短くなり始めるのは2026年3月からです。年に1回、手で更新する運用は続けにくくなるので、有料・無料にかかわらず、自動更新の仕組みがあるかを確かめておくことが大切です。
更新の仕組み | よくある形 | 期限切れが起きやすい理由 | 向いている会社 |
|---|---|---|---|
サーバーの機能で自動更新 | レンタルサーバーやホスティングの無料SSL | ドメインの向き先を変えた、サーバーの契約が切れた、などで自動更新が失敗する | 会社案内のサイト。多くの中小企業 |
有料の証明書を年ごとに手で更新 | 認証局や販売店から購入し、制作会社やサーバー会社が入れ替える | 担当者の異動や、更新案内のメールの見落とし | 会社の実在の証明や補償が必要な会社 |
制作会社がまとめて管理 | 保守契約の中にSSLが含まれている | 保守契約が切れた、制作会社と連絡が取れない | サイトの管理を任せたい会社 |
自動更新でも期限切れは起きます。よくあるのは、ドメインの設定を別のサーバーへ向け直したのに古いサーバーの証明書が残っている場合や、サーバーの契約・支払いが止まって更新が走らなかった場合です。「自動だから大丈夫」と思わず、更新されたかを確かめる人を決めておきます。
制作会社とサーバー会社、どちらに頼むか
期限切れに気づいたら、証明書を管理している相手に連絡します。誰が管理しているかは、毎月・毎年の請求書がどこから届いているかで見当がつきます。
今の契約の形 | 連絡する相手 | 伝えること |
|---|---|---|
制作会社と保守契約があり、サーバーも制作会社の契約 | 制作会社 | 警告が出ていること、エラーの文字、有効期間の終了日 |
サーバーは自社名義で契約している | サーバー会社(管理画面のSSL設定から自分で再設定できることも多い) | 対象のドメイン、無料SSLの再設定ができるか |
有料の証明書を自社で買っている | 証明書の購入先と、サーバーに入れる作業をする会社の両方 | 更新の購入と、サーバーへの入れ替えを誰がするか |
誰が管理しているか分からない | まずドメインとサーバーの契約者を確かめる | 請求書、契約書、ドメインの登録情報を探す |
制作会社と連絡がつく場合
保守契約に入っているなら、まず制作会社に頼みます。あわせて、自動更新が止まった理由と次の期限も聞いておきます。
制作会社と連絡がつかない、またはもう契約がない場合
サーバーを自社名義で契約しているなら、サーバー会社に相談すれば、管理画面から無料の証明書を設定し直せることが多いです。サーバーもドメインも制作会社の名義のままだと、自社だけでは直せません。ドメインの名義を確かめ、必要なら移す手続きを考えます(手順は会社のドメインを移管する手順と注意点)。
再発を防ぐための5つの備え
仕組みを見直さないと、期限切れは繰り返します。次の5つを決めておきます。
- 証明書の終了日を控える:鍵マークから有効期間の終了日を見て、社内の予定表に入れておきます。自動更新なら、終了日の前に新しい日付に変わっているかを確かめます。
- 更新を見る担当者を決める:担当者が異動・退職したときに引き継ぐ項目に入れます。
- サーバー会社・証明書の会社からのお知らせを受け取れるメールにする:辞めた人のアドレスや、誰も見ていないアドレスになっていないか確かめます。
- ドメインの期限もいっしょに見る:ドメインの更新が止まると、証明書が有効でもサイトは開けなくなります。ドメインとSSLの期限は同じ表で管理すると漏れが減ります。
- ドメインの向き先を変えたら、証明書も確かめる:新しい側で証明書が発行されたかを確かめます。
AKIMAが2026年10月に自社サイトを公開したときは、Vercelというサービスでサイトを公開し、ドメインの向き先を新しいサイトへ変えたあと、SSL証明書は自動で発行されました。会社の側で証明書を買ったり入れ替えたりする作業はありませんでしたが、こうした仕組みでも、向き先を変えた直後は証明書が発行されるまで少し時間がかかることがあるため、公開のあとに「https://」で警告なく開けるかを確かめておくと安心です。
なお、AKIMAのHP年齢診断は、サイトが「https://」で開けるかに加えて、証明書の期限も確かめます。期限が切れているときや、切れる日が近いときは、その日付を結果に出します。自動で更新されない証明書は、期限の60日前から注意として表示します。SSLのほか、ドメイン、警告、制作会社との契約など、止まると困る所をまとめて見直したいときは自社ホームページの総点検ガイドが順番に確かめるときの目安になります。
よくある質問
期限が切れたら、すぐにサイトが消えてしまいますか?
消えません。データはサーバーに残っており、警告画面のせいでお客様が見られなくなっている状態です。新しい証明書が入れば、そのまま元どおり表示されます。ただし警告が出ているあいだは問い合わせが減るので、気づいたらその日のうちに連絡するのがおすすめです。
更新したのに、まだ警告が出る人がいます
見ている人のブラウザが古い情報を覚えていることがあります。ブラウザを開き直すか、別の端末で確かめてもらいます。それでも出るなら、新しい証明書が一部のアドレス(「www」の付く・付かないなど)にしか入っていない可能性があるので、どのアドレスで警告が出るかを控えて、更新を頼んだ会社に伝えます。
無料の証明書に切り替えると、検索順位は下がりますか?
Googleは検索セントラルの案内で、ページが安全な方法(HTTPS)で配信されているかを、使う人の体験として確かめる項目に挙げています。証明書が有料か無料かについては触れていません。大切なのは、すべてのページが「https://」で警告なく開けることです。切り替えるときは、期限が切れる前に新しい証明書を入れ、切り替えた日に表示を確かめます。
次に確かめること
証明書を直したら、ドメインの期限と名義もあわせて確かめておくと安心です。サイト全体を作り直す時期かどうか迷っている場合は、中小企業のホームページリニューアル完全ガイドで判断の目安をまとめています。AKIMAの「HPもう、つくってます」は、サーバーとSSLを月額の料金に含めて管理する方式です(初期費用0円・月額19,800円(税別)。契約は12か月で自動更新、期間中に解約する場合は残りの月数分を一括でお支払いいただきます。初月は無料で、その間は0円で解約でき、お申し込みにはクレジットカードの登録が必要です)。詳しい条件は料金のページにまとめています。
この記事の一次情報
・AKIMAが2026年10月に自社サイトを公開したときは、Vercelでサイトを公開し、ドメインの向き先を変えたあと、SSL証明書は自動で発行されました(証明書の購入や入れ替えの作業はなし)。 ・AKIMAのHP年齢診断は、サイトが「https://」で開けるかと、証明書の期限(切れている・30日以内に切れる。Let's Encryptなど自動更新の証明書は7日以内)を判定項目に入れています(実装で確認)。
