ホームページをSSL化する方法|証明書選びからhttps転送まで
公開 HPの困りごと相談室 編集部(株式会社AKIMA)確認:代表取締役 仲井 陽英
先に結論
SSL化は、①サーバーでSSL証明書を設定する、②httpからhttpsへ301で転送する、③サイトの中の画像・リンク・フォームに残る「http://」を書き換える、④Search Consoleとアクセス解析を新しいアドレスに合わせる、の4つで完了です。会社案内のサイトなら、多くのレンタルサーバーの管理画面で設定できる無料の証明書(DV)で十分なことがほとんどで、暗号化の強さは有料と変わりません。証明書を入れただけで止めると警告や画像の欠けが残るので、制作会社に頼むときも4つをまとめて伝えてください。
目次
SSL化でやることは4つ
SSL化(https化)とは、ホームページとお客様のブラウザのあいだの通信を暗号化し、アドレスを「http://」から「https://」に切り替えることです。証明書を1枚入れれば終わり、と思われがちですが、作業は次の4つです。
- SSL証明書を設定する:サーバー(サイトのデータを置いている場所)で、通信を暗号化する電子的な証明書を使えるようにします
- httpからhttpsへ転送する:「http://」で来た人を、自動で「https://」のページへ移します
- サイトの中のURLを書き換える:画像やリンクに残った「http://」を直します
- Googleのツールを合わせる:Search Console(検索での見え方を確かめるツール)とアクセス解析を新しいアドレスに合わせます
1だけで止めると、古い名刺やリンクから来た人には警告が出たまま、画像の一部が出ない、といったことが残ります。すでに警告が出ていて原因を見分けたい場合は、「保護されていない通信」と自社サイトに出たらを先に読んでください。
SSL証明書の種類:無料か有料か、DV・OV・EV
証明書は、発行の前に認証局(証明書を発行する機関)が何を確かめたかで3種類に分かれます。どれを選んでも、通信を暗号化するはたらきは同じです。
- DV(ドメイン認証):申し込んだ人が、そのドメイン(○○.co.jpなど)を使う権利を持っているかだけを確かめます
- OV(組織認証):それに加えて、運営する会社が実在するかを確かめます。JPRSでは公的な書類やデータベースで実在を確かめ、会社の電話番号へ電話して申請の意思を確かめるとしています
- EV(拡張認証):業界団体(CA/Browser Forum)のガイドラインに沿って、法的な実在、所在地と事業の実態、責任者などをより厳しく確かめます
種類 | 確かめること | 費用の傾向 | 向いている会社 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
無料のDV(Let's Encryptなど) | ドメインを使う権利 | 無料(サーバー会社が手数料を取ることはある) | 会社案内・施工例・お問い合わせが中心のサイト | 有効期間が短く、自動更新が前提 |
有料のDV | ドメインを使う権利 | 有料 | サーバーに無料の証明書の機能がない会社 | 暗号化の強さは無料と同じ。更新の手配が要る |
OV | ドメインの権利+会社の実在 | 有料 | 取引先から会社の実在を示す証明書を求められている会社 | 書類や電話の確認に応じる担当者が要る |
EV | 会社の実在を、より厳しい基準で確認 | 有料(高め) | 決済など、特に高い信頼の証明が要るサイト | 会社案内のサイトでは費用に見合う場面が少ない |
無料の代表のLet's EncryptはDVだけを発行しており、標準の有効期間は90日です。会社案内のサイトなら、サーバーの機能で使える無料のDVで十分なことがほとんどで、「無料だから危ない」ということはありません。OVやEVは、取引先や業界のルールで求められたときに考えれば足ります。
有効期間は有料の証明書でも短くなっています。CA/Browser Forumは最長の有効期間を2026年3月から段階的に短くし、2029年3月までに47日にすると決めました。JPRSの証明書も、2026年2月17日で1年ものの発行を終えています。どの証明書でも、自動で更新される仕組みを選ぶのが基本です。期限切れの対処はSSL証明書の期限が切れたときの対処にまとめています。
手順1:サーバーの管理画面で証明書を設定する
まず、サーバーの契約者を請求書の差出人で確かめます。
レンタルサーバーを自社で契約している場合
多くのレンタルサーバーは、管理画面に「無料SSL」などの項目があり、ドメインを選ぶと証明書が設定されます。Let's Encryptの案内でも、ホスティング会社が対応していれば取得から更新まで代わりに行ってもらえるとしています。「www」の付くアドレスと付かないアドレスの両方に入ったかも確かめます。片方だけだと、そちらから来た人にだけ警告が出ます。
新しい公開サービスを使っている場合
ドメインを向けるだけで証明書が自動で発行されるサービスもあります。AKIMAが2026年10月に自社サイトをVercelで公開したときも、ドメインの向き先を変えたあと証明書は自動で発行され、証明書を買ったり入れ替えたりする作業はありませんでした。
サーバーに無料の証明書の機能がない場合
有料の証明書を入れるか、機能のあるプランやサーバーへ移るかを比べます。サーバーを移すときは、メールが同じサーバーで動いていないかを先に確かめます。
手順2:httpからhttpsへ301転送を設定する
証明書を入れても、「http://」のページは残ったままです。名刺や古いリンクから来た人を、自動でhttpsへ移す設定をします。Googleは、httpからhttpsへの切り替えをURLが変わる「サイトの移転」として扱い、次のように案内しています。
- サーバー側の永続的な転送(301など)を使う
- 転送を何段もつなげず、最終的なページへ直接移す
- 転送は少なくとも1年は残す
「http://」「http://www.」「https://」と入り方は何通りもあります。どれで来ても、決めた1つのアドレスへ一度で移るのが理想です。管理画面に「常時SSL化」のようなスイッチがないサーバーでは設定ファイルを書く作業になるので、制作会社に頼んでもよい部分です。
確かめるときは、「http://」から入力して開き、httpsに変わるかを下のページでも見ます。
手順3:サイトの中の画像・リンクを書き換える(混在コンテンツ)
ページがhttpsでも、中の画像やプログラムを「http://」で読み込んでいると「混在コンテンツ」になります。Googleの開発者向けの解説(web.dev)では、画像は影響が限られるものの差し替えに悪用されうる一方、プログラムや埋め込みはページ全体を操られるおそれがあり、多くのブラウザがブロックすると説明しています。画像が出ない、地図が表示されない、という形で現れます。
- サイトの基本の設定:WordPressなどでは「サイトのアドレス」をhttpsに変えます。変える前にバックアップを取ります
- 本文や画像のURL:お知らせや施工例の記事に「http://」の画像が残りがちです。数が多いときは一括で置き換える方法を相談します
- 地図・動画・SNSの埋め込み:古いコードは今の埋め込みのコードで貼り直します
- お問い合わせフォームの送り先:「http://」のままだと入力内容が暗号化されずに送られるので、最優先で確かめます
直したら、主なページで警告が出ないか、画像が欠けていないかを見ます。HP年齢診断でURLを入れると、トップページがhttpsか、「http://」で開いたときにhttpsへ移るか、トップページにhttpで読み込む画像やプログラムがないか、フォームの入力内容が暗号化されずに送られていないか、証明書がいつまで有効かを自動で判定します。
手順4:Search Console・アナリティクスの設定
Search Consoleの登録には2種類あります。「URLプレフィックス」は入力した形のアドレスだけが対象で、httpとhttpsは別に扱われます。「ドメイン」で登録すると、httpとhttps、wwwの有無をまとめて見られます(確認はDNSに記録を足す方法だけです)。
- 「http://」で登録しているなら、httpsのアドレスも登録するか、ドメインで登録し直します
- 新しいアドレスのページ一覧(サイトマップ)を送ります
- 所有の確認に使っているファイルやタグは、切り替え後も残します
Googleの案内では、https化では「アドレス変更ツール」は使いません。反映には数週間以上かかることがあり、そのあいだ順位が変動することもあるとしています。AKIMAが自社サイトを公開したときは、バリュードメインの管理画面で今あるメールなどの設定を消さずに残し、確認用の記録(TXTレコード)を追記してドメインで登録しました。
アクセス解析は、計測のタグが新しいページにも入っているか、Googleアナリティクスのデータストリームに登録したURLが今のアドレスと合っているかを見ます。HP年齢診断でも、計測の仕組みが入っているか、古い版(UA)のままでないかを判定しています。
制作会社に頼む場合の伝え方
「SSL化してください」だけだと、証明書を入れて終わることがあります。次のようにまとめて伝えると行き違いが減ります。
- wwwの有無の両方に証明書を入れ、自動で更新される設定にしてください
- httpからhttpsへ、301で、1回で決めたアドレスへ移るように転送してください
- 画像・リンク・埋め込み・フォームの送り先に残る「http://」も直してください
- Search Consoleとアクセス解析も、新しいアドレスに合わせてください
- メールに影響しませんか。DNSを変えるなら今の設定は消さずに残してください
- 保守の範囲に入りますか。別料金ならいくらですか
頼んだあとは、自分でも「http://」から開いてhttpsへ移るか、フォームから送って届くかを確かめてください。
ケース別の判断
自社でレンタルサーバーを契約していて、ページが少ない場合
自社で進められることが多い場面です。手順1〜4を順に進めます。
制作会社と保守の契約がある場合
保守の範囲にSSL化が入るかを聞き、上の伝え方をそのまま渡します。転送とサイトの中の書き換えまで含めてもらうのがポイントです。
サーバーやドメインの契約者が分からない場合
SSL化の前に名義を確かめます。前の制作会社の名義だと、設定を変えるのに相手の協力が要ります。確かめ方はドメインの管理者を確認する方法にまとめています。
10年近く前の作りで、スマホにも対応していない場合
SSL化だけ直しても、スマホで読みにくいなどの問題は残り、書き換える「http://」も多くなりがちです。作り直しも比べてみてください(目安は中小企業のホームページリニューアル完全ガイド)。
よくある質問
SSL化すると、検索順位は上がりますか?
Googleは、ページが安全な方法で配信されているかを、使う人の体験として確かめる項目に挙げています。ただ、SSL化だけで順位が大きく上がると考えるのは早計です。注意したいのはむしろ、切り替えのあとしばらく順位が変動することがある点で、転送を正しく設定してSearch Consoleで様子を見てください。
会社のメールに影響しますか?
証明書の設定と転送だけなら、通常は影響しません。影響が出るのは、ついでにサーバーを移したり、DNSの設定を入れ替えたりした場合です。DNSを触るときは、今の設定を書き出し、消さずに足す順番で進めます。
SSL化したあと、何を見張ればよいですか?
証明書が自動で更新されているかです。サーバーの契約が切れたり、ドメインの向き先を変えたりすると、自動更新が止まることがあります。ときどき鍵のアイコンから期限を見るか、HP年齢診断で確かめてください。
次に確かめること
SSL化が済んだら、ドメインの名義と更新日、制作会社との契約もあわせて見直すと安心です。順番は自社ホームページの総点検ガイドにまとめています。
なお、AKIMAの「HPもう、つくってます」は、サーバーとSSL証明書を月額に含めて管理しています。料金は初期費用0円・月額19,800円(税別)、契約は12か月ごとの自動更新で、期間中に解約する場合は残りの月数分を一括でお支払いいただきます。初月は無料で期間中は0円で解約でき、お申し込みにはクレジットカードの登録が必要です(詳しくは料金のページ)。
この記事の一次情報
・AKIMAのHP年齢診断で実際に判定している項目(トップページがhttpsか、http://で開いたときhttpsへ移るか、トップページの中にhttpで読み込む画像やプログラムがないか、フォームの入力内容が暗号化されずに送られていないか、SSL証明書の有効期限、アクセスを計測する仕組みの有無と古い版(UA)のままか)をもとに、作業後の確かめ方を整理しました(apps/browser-worker/src/checks の実装で確認)。 ・AKIMAが2026年10月に自社サイトをVercelで公開したとき、ドメインの向き先を変えたあとSSL証明書は自動で発行されました。Search Consoleはドメインで登録し、バリュードメインで既存のレコードを消さずに確認用のTXTレコードを追記しました。 ・料金と条件は、AKIMAの実際の料金条件(初期費用0円・月額19,800円税別、12か月の自動更新、中途解約は残月数分一括、初月無料で期間中は0円解約、クレジットカード登録必須)です。
出典
- Google 検索セントラル「サイトを移転する方法(URL の変更を伴うサイト移転)」(HTTPからHTTPSはサイト移転の例、301などの永続的な転送、1年以上維持、HTTPS化ではアドレス変更ツール不要、数週間かかり順位が変動することも)
- web.dev「混合コンテンツとは」(パッシブ/アクティブの違い、ブラウザのブロック)
- Let's Encrypt「FAQ」(無料、DVのみでOV・EVの予定なし、標準90日)
- Let's Encrypt「はじめる」(ホスティング会社が対応していれば取得・インストール・更新を代行)
- JPRS「JPRSのサーバー証明書」(DV・OVの確認内容、発行の目安、有効期間5か月、2026年2月17日に1年の発行終了)
- JPRS「認証方法について」(OVの法的実在性・電話確認)
- CA/Browser Forum「Overview of the Extended Validation SSL Vetting Process」(EVの確認項目)
- CA/Browser Forum「Ballot SC081v3」(最長有効期間を2026年3月から段階的に短縮し2029年3月までに47日)
- Search Console ヘルプ「ウェブサイトまたはプラットフォームのプロパティを Search Console に追加する」(ドメイン/URLプレフィックス、ドメインはDNS確認のみ)
- アナリティクス ヘルプ「アナリティクスで新しいウェブサイトまたはアプリのセットアップを行う」(データストリームのURL)
- Google 検索セントラル「ページ エクスペリエンスと Google 検索結果への影響」 (「ページは安全な方法で配信されていますか」の自己評価項目)
