AKIMA

ホームページが改ざん・乗っ取りされたら|確かめ方と最初の対応

公開 HPの困りごと相談室 編集部(株式会社AKIMA)確認:代表取締役 仲井 陽英

自社ホームページの総点検ガイド第11章 / 全13章

先に結論

見覚えのないページや外部リンクがある、検索結果に自社と関係ない言葉が出る、開くと別のサイトへ飛ばされる、Googleの警告が出る。こうしたサインがあれば、ホームページの改ざんや乗っ取りを疑います。まず「site:」検索とSearch Consoleで確かめ、怪しいページは慰てて消さずに記録を残します。そのうえでパスワードを変え、制作会社とサーバー会社に連絡します。迷ったらIPAなどの公的な窓口に相談できます。直したら、古いWordPressやPHP、使われていないIDを見直して再発を防ぎます。

目次
  1. 1改ざん・乗っ取りのサイン:こんなことが起きたら疑う
  2. 2本当に改ざんされたかを確かめる方法
  3. 3見つけたときの最初の対応
  4. 4どこから入られるのか:復旧したあとの再発防止
  5. 5ケース別の判断
  6. 6よくある質問

改ざん・乗っ取りのサイン:こんなことが起きたら疑う

改ざんは、持ち主の知らないうちにページを書き換えられたり、ページやプログラムを足されたりすること、乗っ取りは、管理画面やサーバーに他人が入り込んで操作できる状態のことです。Googleは、Search Console(自社サイトの検索での状態を見られるGoogleの無料サービス)のヘルプで、スパムの文字やリンクを足される、ページを勝手に作られる、別のサイトへ飛ばされる、といった種類を挙げています。社内で気づきやすい形にすると、次のとおりです。

見えているサイン

どこで気づくか

考えられること

まずやること

見覚えのないページや、知らない外部サイトへのリンクがある

自社サイトを見ていて/お客様からの連絡

ページを足された、既存のページに文字やリンクを書き足された

画面を保存し、日時を記録する

検索結果に、自社と関係ない言葉や商品名が出る

Googleで自社名や「site:」で検索して

スパムのページを大量に作られた。日本語の場合、偽ブランド品の通販などに誘うページが多い

「site:」検索の結果を保存する

開くと別のサイトへ飛ばされる

スマホや検索結果から開いたとき

ページに悪い仕組みを入れられ、条件によって別サイトへ送られている

怪しいページを何度も開かず、管理者に伝える

Googleの検索結果やChromeに警告が出る

検索結果の注意書き、Chromeの全面の警告画面

Googleが、ハッキングや有害な動きを見つけた

Search Consoleの「セキュリティの問題」を見る

Search Consoleの「セキュリティの問題」に表示がある

Search Consoleの画面、Googleからのメール

ハッキングされたコンテンツ、マルウェア(悪いプログラム)などが見つかった

表示された問題の種類とURLの例を控える

Search Consoleに知らない所有者がいる

Search Consoleの設定「所有者とユーザー」

乗っ取った人が、自分を所有者として足した

削除する前に画面を保存し、管理者に伝える

サーバー会社からの連絡、サイトの停止

サーバー会社のメール・管理画面

迷惑メールの送信や、ほかへの攻撃に使われた可能性

連絡の内容を確かめ、サーバー会社に状況を聞く

反対に、アドレス欄の「保護されていない通信」は通信が暗号化されていないという意味で、乗っ取りのサインではありません(「保護されていない通信」と自社サイトに出たら)。ページが開かない場合も、契約切れなど別の原因がよくあります(ホームページが開けない・表示されないときの確かめ方と連絡先)。

本当に改ざんされたかを確かめる方法

怪しいページは、自分のパソコンで何度も開かないようにします。Search Consoleのヘルプでも、問題のあるページはブラウザで直接開かず、Googleの道具などで確かめるよう案内しています。

1. Googleで「site:」検索をする

Googleの検索欄に「site:自社のドメイン」(例:site:example.co.jp)と入れて検索すると、Googleが覚えている自社サイトのページが一覧で出ます。作った覚えのないページ、意味の分からない英数字のアドレス、関係のない商品名が並んでいないかを見て、結果の画面を保存します。

2. Search Consoleの「セキュリティの問題」を見る

Search Consoleに自社サイトを登録しているなら、「セキュリティの問題」の画面を開きます。Googleが見つけた問題があれば、種類と、見つかったURLの例が出ます。

3. 人には見えない書き換えを確かめる

乗っ取った人は、Googleの検索ロボットにだけスパムを見せる仕掛けを使うことがあります。自分で開くとふつうなのに検索結果だけがおかしいなら、Search Consoleの「URL検査」で、Googleから見えている中身を確かめます。

4. 所有者とユーザーを確かめる

Search Consoleの設定の「所有者とユーザー」に、知らない人が入っていないかを見ます。Googleの日本語キーワードハック(日本語のスパムページを大量に作られる改ざん)の案内では、身に覚えのない所有者がいることを、ハッキングの強いしるしとしています。WordPressの管理画面でも、知らないユーザーが増えていないかを見ます。

Search Consoleに登録していない、管理画面に入れない場合は、無理に自分で調べず、次の「最初の対応」に進みます。

見つけたときの最初の対応

すぐに怪しいページを消したくなりますが、先に消すと、どこから入られたかが分からなくなり、同じ穴から入り直されることがあります。WordPressの公式の資料も、最初にすべきことは「落ち着くこと」と「記録すること」だとしています。

  1. 慌てて消さない:怪しいページやファイルを自分で消す前に、今の状態を残します。WordPressの公式の資料では、掃除を始める前に、感染した状態のままでもサイトの写し(バックアップ)を取っておくよう勧めています。
  2. 記録する:何を見て疑ったか、気づいた日時、最近した作業(プラグインを足した、など)を書き出し、画面を保存します。
  3. パスワードを変える:WordPressなどの管理画面だけでなく、サーバーの管理画面、ファイルを送るためのFTPのID、データベースのパスワードもすべて変えます。社内でサイトの更新に使っているパソコンがウイルスに感染していると、変えたパスワードもまた盗まれるので、ウイルス対策ソフトで調べます。掃除が終わったら、パスワードはもう一度変えます。
  4. サーバー会社と制作会社に連絡する:保守を頼んでいる制作会社と、サーバーの契約先に、記録を添えて連絡します。共用のサーバーでは、サーバー会社の側でも対応が要ることがあります。
  5. 公的な窓口に相談する:どう進めればよいか分からないときは、公的な窓口に相談できます(次の表)。

相談先

こういう場合に

受け付け方

知っておくこと

IPA「企業組織向けサイバーセキュリティ相談窓口」

何から手を付ければよいか分からない。応急の処置や、頼める専門業者を知りたい

メールのみ

初動の助言、専門業者や他の窓口の紹介をする。相談された案件の調査や解析はしない

JPCERT/CC「インシデント対応依頼」

改ざんの対応で調整の手助けがほしい。他社のサイトの改ざんを見つけた

Webのフォームかメール(原則として電話は不可)

Webサイトの改ざんは対象。犯人の特定や取り締まりはしない

警察(都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口)

被害届を出したい。お金や情報の被害がある

警察庁のサイトの統一窓口から、オンラインで通報・相談できる

被害届は最寄りの警察署などに連絡する

なお、Googleの警告は、直しただけでは消えません。Search Consoleの「セキュリティの問題」で、すべてのページの問題を直してから「審査をリクエスト」を送ります。何が問題だったか、どう直したか、その結果を書いて送り、審査には数日から数週間かかります。直っていないまま送ると時間が延びることがあるので、直ったことを確かめてから送り、結果のメールが届くまでは送り直さずに待ちます。

どこから入られるのか:復旧したあとの再発防止

掃除をしても、入られた穴をふさがなければ、また同じことが起きます。中小企業のホームページでよく狙われるのは、次の3つです。

古いWordPress・プラグイン・PHP

Googleの案内では、古いCMS(WordPressなどの更新の仕組み)や、弱点のあるプラグイン(追加の部品)が、侵入の入り口として挙げられています。WordPressの公式の資料も、古い版ほどハッキングされやすいとし、掃除が終わったら最新の版に更新するよう勧めています。

サーバーで動いているPHP(WordPressを動かしているプログラムの言語)にも、修正が出る期間があります。PHPの公式サイトでは、2026年11月時点で安全のための修正が出ているのは8.2〜8.5で、8.1はすでに対象外です。8.2も2026年12月31日で修正が終わる予定です。PHPの版の切り替えはサーバーの管理画面でできることが多いですが、古いプラグインが動かなくなることもあるので、制作会社と一緒に進めます。

管理画面のIDとパスワード

IPAの「安全なウェブサイトの運用管理に向けての20ヶ条」には、「不要なアカウントが登録されていませんか?」「推測されやすい単純なパスワードを使用していませんか?」という項目があります。辞めた人や、前の制作会社のIDが残っていないか、1つのIDを何人かで使い回していないかを見直します。Googleの案内でも、パスワードの変更と2段階認証(パスワードのほかにスマホの確認なども求める仕組み)の利用を検討するよう勧めています。IDを人ごとに分ける方法と、WordPressの権限の分け方はホームページを自分で更新できるようにするにはで説明しています。

誰も見ていない状態

20ヶ条には、サーバーのソフトの更新や、記録(ログ)を残して定期的に確かめることも挙がっています。更新とバックアップを誰がしているか分からないなら、保守の範囲を確かめます(ホームページの保守費用は何に払っているのか)。警告・SSL・ドメイン・契約もあわせて見直すなら、自社ホームページの総点検ガイドの順に確かめると漏れが減ります。

AKIMAのHP年齢診断では、外から見える範囲で、こうした入り口になりやすい古さを判定します。ページに書かれたWordPressの版が6より前なら、乗っ取りに使われる弱点が知られている版として指摘します。サーバーがPHPの版を外に出している場合は、サポートが終わった版かどうかを判定し、版が分からなくてもWordPressなどPHPで動くサイトなら、サーバー会社に確かめるよう伝えます。ほかに、jQuery(よく使われる部品)が3.5より前の古い版か、httpsのページの中で暗号化されていないプログラムを読み込んでいないか、安全のための基本設定(セキュリティヘッダー)がされているかも見ます。ただし、HP年齢診断は、すでに改ざんされているかどうかは判定していません。改ざんの確認は、ここまでの「site:」検索とSearch Consoleで行ってください。

ケース別の判断

制作会社に保守を頼んでいて、連絡がつく場合

記録を添えてすぐ連絡し、掃除と原因の調べ、パスワードの変更、Googleへの審査のリクエストまでを、誰がいつするか決めてもらいます。保守の範囲に入っていない作業は費用がかかることがあるので、先に見積もりを出してもらいます。

保守契約がなく、サーバーは自社名義の場合

サーバー会社に連絡し、改ざんの調べや、きれいだったころのバックアップがあるかを聞きます。社内に詳しい人がいなければ、IPAの相談窓口で応急の処置と、頼める専門業者の紹介を受けるのが近道です。

制作会社と連絡がつかず、管理画面にも入れない場合

改ざんの前に、サイトとドメインを自社で押さえられるかの問題になります。サーバーとドメインの名義を確かめる手順は制作会社と連絡が取れない・倒産したときにやることにまとめています。

古い仕組みのまま、直してもまた入られそうな場合

WordPressもPHPも何年も更新されておらず、プラグインも更新が止まっているなら、掃除して使い続けるより、作り直したほうが早く安全なことがあります。作り直すかどうかの判断軸は中小企業のホームページリニューアル完全ガイドで説明しています。参考までに、AKIMAの「HPもう、つくってます」は、サーバー・SSL・保守を月額に含めた方式です。料金は初期費用0円・月額19,800円(税別)で、契約は12か月ごとの自動更新、期間中に解約する場合は残りの月数分を一括で支払います。初月は無料で、その期間中は0円で解約できます(お申し込みにはクレジットカードの登録が必要です)。詳しくは料金のページをご覧ください。

よくある質問

改ざんに気づいたら、サイトをすぐ止めたほうがいいですか?

お客様を別のサイトへ飛ばしている、悪いプログラムを配っている、という場合は、被害を広げないために、制作会社やサーバー会社と相談して一時的に止めることも考えます。一方で、止める前に今の状態を記録しておかないと、原因が追えなくなります。自分で消したり止めたりする前に、まず管理している会社に連絡してください。

見覚えのないページを消せば、元どおりになりますか?

見えているページを消しても、入り口や、乗っ取った人が後から入るための仕掛けが残っていれば、また作られます。Googleの案内でも、怪しいページのほか、サーバーの設定ファイルやサイトマップ(ページの一覧)、プラグインのファイルまで見直す手順になっています。掃除は、入られた原因をふさぐところまでを1つの作業と考えてください。

自社の名前で、知らないメールが取引先に届いています。これも乗っ取りですか?

サイトの乗っ取りとは限りません。会社のメールアドレスを名乗るだけなら、サイトにもメールにも入り込まずにできてしまいます。これを防ぐのが、SPF・DMARCといった「なりすまし対策」の設定です。確かめ方と設定の手順はDMARCの設定方法で説明しています。

この記事の一次情報

・AKIMAのHP年齢診断が実際に判定している、侵入の入り口になりやすい項目(ページに書かれたWordPressの版が6より前か、サーバーが示すPHPの版がサポート切れか・版が分からなくてもPHPで動くサイトかどうか、jQueryが3.5より前か、httpsのページでhttpのプログラムを読み込んでいないか、セキュリティヘッダー)と、改ざんそのものは判定していないことを、実装(hp-replacement-platform の browser-worker/src/checks/security.ts)で確かめて書きました。 ・料金と条件は、AKIMAの実際の料金条件(初期費用0円・月額19,800円税別、12か月の自動更新、中途解約は残月数分一括、初月無料で期間中は0円解約、クレジットカード登録必須)です。

出典

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