AKIMA

ホームページ制作に使える補助金|対象経費と申請の注意点

公開 HPの困りごと相談室 編集部(株式会社AKIMA)確認:代表取締役 仲井 陽英

中小企業のホームページリニューアル完全ガイド第4章 / 全10章

先に結論

ホームページの費用に使える可能性がある主な国の制度は、小規模事業者持続化補助金と、デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)です。ただし持続化補助金はホームページだけでは申請できず、ほかの販路開拓の取り組みと一緒に申請します。どの制度も自己負担があり、交付決定の前に発注・契約した費用は対象外とされています。上限額や補助率、締切は公募の回ごとに変わるので、必ず最新の公募要領で確認してください。自治体独自の補助金もあります。

目次
  1. 1ホームページに使える可能性がある制度は3種類
  2. 2小規模事業者持続化補助金でホームページを作るときの考え方
  3. 3対象になりやすい経費・なりにくい経費
  4. 4申請から入金までの流れ
  5. 5やってしまいがちな失敗と注意点
  6. 6月額制のホームページとの相性
  7. 7自治体の補助金と、制度の探し方
  8. 8ケース別:補助金を使うか、使わないか
  9. 9よくある質問

ホームページに使える可能性がある制度は3種類

国の制度では、販路を広げる取り組みや、仕事の効率を上げる取り組みを助ける中で、その一部としてホームページの費用が認められる、という形が中心です。次の3種類に分けると整理しやすくなります。

制度

どんな取り組みを助けるか

ホームページとの関係

向いている会社

最初に確かめること

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者が自分で立てた経営計画にもとづく販路開拓(新しいお客様を得る取り組み)

経費の区分に「ウェブサイト関連費」がある。ただしホームページだけでは申請できない

従業員が少ない会社で、チラシや展示会などと合わせて集客を見直したい

自社が小規模事業者に当てはまるか。地域の商工会・商工会議所はどこか

デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)

業務の効率化のためのITツール(ソフトウェアやクラウドサービス)の導入

事務局に登録されたITツールを導入する制度。ホームページ制作そのものが対象かは、公募要領では確認できなかった

受発注、顧客管理、会計などの仕事をソフトで効率化したい

入れたいツールが事務局に登録されているか

自治体(都道府県・市区町村)独自の補助金

地域ごとに目的が違う(販路開拓、IT化、創業など)

制度ごとに違う。ホームページの費用が対象に含まれるかは、各制度の募集要項で確かめる

地元の制度を使いたい。国の制度の条件に合わない

本社のある自治体で、今年度の募集があるか

上限額・補助率・締切は公募の回ごとに変わるため、この記事では載せていません。必ず最新の公募要領で確認してください。

小規模事業者持続化補助金でホームページを作るときの考え方

ホームページの補助金として最もよく名前が挙がるのが、この制度です。ここでは、商工会議所地区・商工会地区の補助金事務局が公開している「一般型 通常枠」の公募要領(第20回公募)で確認できたことをまとめます。

対象になる会社

対象は「小規模事業者」で、業種ごとに常時使用する従業員の数で決まります。公募要領では、商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)は5人以下、宿泊業・娯楽業と製造業その他は20人以下です。役員は数に入らないなど細かい決まりがあるので、公募要領で確かめてください。

ホームページの費用は「ウェブサイト関連費」

公募要領では、ウェブサイトやECサイト、システムの開発・構築・更新・改修・運用のための費用を「ウェブサイト関連費」としています。押さえておきたい決まりは次のとおりです。

  • ウェブサイト関連費だけでは申請できない:チラシ、展示会への出展、機械装置など、ほかの経費と一緒に申請する必要があります
  • この経費には申請額の上限がある:補助金全体の上限とは別に、ウェブサイト関連費として申請できる額に上限があります
  • 補助事業の期間をこえる利用料は、期間分だけ:期間をこえるソフトウェアの使用権は、按分(期間で割って計算)した期間分のみが対象です
  • 一定額以上で作ったサイトは「処分制限財産」になることがある:補助金を受け取った後も一定の期間、目的外の使用や廃棄などが制限されます

販路開拓の計画の一部として書く

公募要領は、事業者自らが検討した様子が見られない場合は不採択や交付決定の取り消しになるとしています。「ホームページを新しくしたい」だけでなく、「どんなお客様に、何を伝えて、どう問い合わせにつなげるか」を、自社の言葉で計画に書くことが前提です。

対象になりやすい経費・なりにくい経費

持続化補助金の公募要領の例から、ホームページに関わるものを抜き出しました。最終的な判断は事務局の審査によります。

経費の例

扱い(公募要領の例示)

気をつけること

商品やサービスを売るためのウェブサイトの作成・更新

対象となる経費の例に挙がっている

補助事業の期間内に公開して、販路開拓に使うこと

効果や作業内容が明確なSEO対策

対象となる経費の例に挙がっている

何をするのかが見積書で分かること

ウェブサイトに載せる宣材写真や、販売のための画像・動画の制作

対象となる経費の例に挙がっている

写真に写す商品などを買う費用は対象外の例に挙がっている

ウェブサイトやシステムに関するコンサルティング・アドバイス費用

対象とならない経費の例に挙がっている

「HP戦略の相談料」のような項目は外れる可能性が高い

すでに入れているソフトウェアの更新料

対象とならない経費の例に挙がっている

今使っている仕組みの継続費用は対象になりにくい

補助事業の期間内に公開・運用に至らなかったホームページ

対象とならない経費の例に挙がっている

制作が遅れて期間内に公開できないと、支払っても対象外

証拠書類を用意できないものや、内訳が分からない「諸経費」も対象外とされています。見積書は作業ごとに内訳を分けてもらいましょう。

申請から入金までの流れ

持続化補助金の公募要領に載っている流れを、自社がやることを中心にまとめます。補助金は最後に入る「後払い」で、いったんは全額を自社で支払う必要があります。

  1. GビズIDプライムを取る:国の電子申請に使うアカウントで、申請に必須です
  2. 経営計画と補助事業計画を作る:電子申請システムに入力します(郵送は不可)
  3. 地域の商工会・商工会議所に「事業支援計画書」(様式4)の発行を頼む:発行の受付締切は、申請締切より前です
  4. 申請する:審査があり、不採択や減額もあります
  5. 採択後、価格の妥当性を示す見積書などを出す
  6. 交付決定を受ける:通知に書かれた交付決定日から、補助事業を始められます
  7. 発注・制作・公開・支払い
  8. 実績報告を出す(経理書類など)
  9. 補助金額の確定、請求、入金
  10. 事業効果の報告(事業終了後の状況)

デジタル化・AI導入補助金も、GビズIDプライムの取得に加えて、情報セキュリティへの取り組みを自ら宣言する「SECURITY ACTION」の宣言が要件です。こちらは、事務局に登録されたIT導入支援事業者(ツールを提供・導入する会社)と一緒に申請書を作る仕組みになっています。

やってしまいがちな失敗と注意点

交付決定の前に発注・契約してしまう

一番多い落とし穴です。持続化補助金の公募要領では、交付決定前に発注・契約、購入、支払い(前払いを含む)をしたものは対象外とされています。デジタル化・AI導入補助金の公募要領でも、交付決定前にITツールを契約・発注した場合は補助の対象にならないとされています。「申請したから大丈夫」ではなく、交付決定の通知を受け取ってから発注してください。

支払い方が条件に合っていない

持続化補助金では、支払いは銀行振込が大原則です。一定額をこえる現金払いや、手形・相殺による支払いは認められません。クレジットカード払いは申請する事業者の名義で、補助事業の期間内に引き落としまで終わっている必要があります。社長や社員の個人カードで払うと、帳簿で確認できない場合は対象外になります。

期間内に公開が間に合わない

期間内に運用に至らなかったホームページは対象外の例に挙がっています。原稿や写真がそろわずに制作が止まると、補助を受けられないうえに費用だけが残ります。依頼先には、補助事業の期間を伝えたうえでスケジュールを組んでもらいましょう。

「補助金で実質無料」という勧誘

公募要領は、内容に見合わない高額なアドバイス料金を求める業者に注意を呼びかけています。自己負担を実質的に減らすキャッシュバックも、目的に反する行為とされています。

月額制のホームページとの相性

月額制のサービスで補助金を使えるかは、制度と契約の形によります。持続化補助金の公募要領から読み取れる注意点は次のとおりです(どう判断されるかは事務局の審査によります)。

  • 補助の対象は、交付決定日以降に発生し、補助事業の期間中に支払いが終わった分です。月額料金なら、対象になりうるのは期間内の月の分と考えられます
  • 期間をこえる契約は、按分した期間分だけが対象です。12か月契約でも、補助事業の期間が短ければ、その分しか対象になりません
  • 交付決定前に申し込んだり、無料期間から使い始めたりすると、「交付決定前の契約」と見なされるおそれがあります
  • クレジットカード払いのサービスは、会社名義のカードで、期間内に引き落としまで終わる必要があります

一方で、月額制は最初の負担が小さく、補助金を待たずに始められるのが利点です。採択と交付決定を待つと、制作開始まで数か月かかることもあります。待って始めるか、今すぐ始めるかを比べて決めるのがおすすめです。月額制と買い切りの違いは月額制のホームページ制作とはで詳しく説明しています。

AKIMAの「HPもう、つくってます」は初期費用0円・月額19,800円(税別)で、契約期間は12か月(12か月ごとに自動更新)、期間中に解約する場合は残りの月数分を一括で支払う条件です。初月(お申し込み日から1か月)は無料で、その間は0円で解約できます。お申し込みにはクレジットカードの登録が必要です。補助金と組み合わせたい場合は、補助の対象になるかを事務局や商工会・商工会議所に確かめ、交付決定の前には申し込まないでください。料金と条件は料金のページにまとめています。

自治体の補助金と、制度の探し方

国の制度とは別に、都道府県や市区町村が独自に補助金を出していることがあります。ホームページの費用が対象に含まれるか、募集の時期はいつかは、自治体ごとにまったく違います。探すときは、次の順番が効率的です。

  1. ミラサポplusで国の主な制度を知る:中小企業庁の「ミラサポplus」の「人気の補助金」のページ(https://mirasapo-plus.go.jp/subsidy/)には、持続化補助金やデジタル化・AI導入補助金など、主な補助金の概要と公式サイトへのリンクがまとまっています。公募が終わっている制度もあるので、公式サイトで今の状況を確かめます
  2. J-Net21で地域の制度を探す:中小企業基盤整備機構の「J-Net21」の「支援情報ヘッドライン」では、国や都道府県の補助金・助成金を、都道府県やキーワードで絞り込んで探せます。「ホームページ」「ウェブサイト」「販路開拓」などで検索してみてください
  3. 市区町村のホームページと、地元の商工会・商工会議所に聞く:市区町村の制度は、役所のホームページの産業振興や商工の担当ページに載っていることがあります。見つからなければ担当窓口に電話で聞くのが早道です。地元の商工会・商工会議所は持続化補助金の窓口でもあるので、一緒に相談できます

ケース別:補助金を使うか、使わないか

従業員が少なく、チラシや展示会と一緒に集客を見直したい会社

持続化補助金と相性が良いケースです。ホームページだけでは申請できないため、ほかの販路開拓の取り組みと組み合わせた計画を立てます。まず地元の商工会・商工会議所に相談しましょう。

ホームページだけを早く作り直したい会社

補助金を使うと、公募・審査・交付決定を待つ時間がかかります。急ぐなら、使わずに始めるほうが合うこともあります。費用の考え方はリニューアルの費用相場と内訳を参考にしてください。

受発注や顧客管理もデジタル化したい会社

デジタル化・AI導入補助金が候補です。入れたいツールが事務局に登録されているかを最初に確かめてください。

依頼先をまだ決めていない会社

補助金を使うなら、依頼先に「補助金の条件に合わせた見積書とスケジュールを出せるか」も聞いておきます。依頼先の比べ方はホームページ制作会社の選び方、リニューアル全体の進め方は中小企業のホームページリニューアル完全ガイドにまとめています。

よくある質問

補助金が出れば、ホームページは無料で作れますか?

無料にはなりません。補助金は費用の一部を補う仕組みで、自己負担が必要です。しかも後払いなので、いったんは全額を自社で支払います。採択されないこともあるため、補助金がなくても払える範囲で計画を立ててください。

すでに作り始めたホームページの費用は、後から申請できますか?

持続化補助金もデジタル化・AI導入補助金も、交付決定前の契約・発注は対象外とされています。すでに発注した分を後から補助の対象にするのは、難しいと考えてください。

申請書は制作会社に書いてもらえますか?

持続化補助金は、事業者自らが計画を検討していることが前提で、第三者の支援を受けた場合は相手と金額を申請書に書く必要があります。制作会社には、見積書や作業内容の説明など、自社が計画を書くための材料を出してもらう形が安全です。

この記事の一次情報

・AKIMAの「HPもう、つくってます」の実際の契約条件(初期費用0円・月額19,800円(税別)、12か月契約で自動更新、期間中の解約は残月数分を一括、初月無料、クレジットカード登録必須)を、持続化補助金の公募要領(第20回・第8版)にある「交付決定前の契約は対象外」「期間をこえる使用権は按分」「クレジットカードは事業者名義で期間内に引き落とし完了」と照らし合わせ、月額制で補助金を使うときの注意点として整理しました。

出典

このガイドの章を見る

次に読む記事

リニューアル・費用の記事一覧/HPの困りごと相談室のトップ