AKIMA

ホームページの見積もり相場と見積書の読み方|比べ方と質問

公開 HPの困りごと相談室 編集部(株式会社AKIMA)確認:代表取締役 仲井 陽英

中小企業のホームページリニューアル完全ガイド第7章 / 全10章

先に結論

ホームページの見積もりの相場は、制作会社106社への聞き取り調査で全体平均110万円、コーポレートサイトは3万5千円〜650万円と幅があります。この差は、見積もりに含まれる作業の範囲の違いから生まれます。届いた見積書は総額で比べず、「一式」の中身、ページ数とテンプレート数、直しの回数、原稿・写真・移行・保守が含まれるかを一つの表に並べ直し、同じ年数で総額を出して比べてください。分からない項目は書面で聞き返します。

目次
  1. 1相場は「総額」ではなく「何が入っているか」で読む
  2. 2見積書によく出てくる項目名の意味
  3. 3届いた見積書を比べる5つの手順
  4. 4相見積もりの取り方
  5. 5見積書を受け取ったら聞き返す質問
  6. 6ケース別の判断
  7. 7よくある質問

相場は「総額」ではなく「何が入っているか」で読む

ホームページの見積もりを何社かから取ると、金額が2倍、3倍と離れていることは珍しくありません。手がかりになる数字として、JetB株式会社が制作会社106社に聞き取った調査(2023年10月〜2024年4月)では、ホームページ制作の料金相場の全体平均は110万円で、コーポレートサイトは3万5千円〜650万円と、種類の中でいちばん幅が広い結果でした。制作会社のNT CREATIONのコラムでは、中小企業のリニューアルを50万〜300万円としています。

この幅は、制作会社の値付けの違いだけで生まれるものではありません。制作会社アームのコラムでも、金額がばらつく理由は各社が想定している作業の範囲がそろっていないことだとし、見積書は金額より先に範囲の広さを読むよう勧めています。つまり、相場と見比べる前に、届いた見積書が「どこまでの作業の値段か」を読み取る必要があります。

費用の相場と内訳そのものはホームページリニューアルの費用相場と内訳で整理しています。この記事では、その次の段階として、届いた見積書の項目の読み方、比べ方の手順、相見積もりの取り方、聞き返す質問を説明します。リニューアル全体の流れは中小企業のホームページリニューアル完全ガイドにまとめています。

見積書によく出てくる項目名の意味

項目名は会社によって違うので、名前ではなく「何の作業に、どの単位でお金がかかっているか」で読みます。

項目名

意味

読むときの注意

聞き返す一言

ディレクション費(進行管理費)

打ち合わせ、全体の設計、スケジュールの管理、制作の指示など、まとめ役の作業

独立した項目にする会社と、他の項目に含める会社がある。ないから安いとは限らない

窓口は誰で、打ち合わせは何回までですか

一式

複数の作業をまとめて一つの金額にした書き方

中身が見えない。ページ数や直しの回数が書かれていないと、後で範囲の食い違いが起きやすい

この一式には、何ページ・何が含まれますか

人日(にんにち)・工数

1人が1日で行う作業の量を1とした単位。3人日なら、1人で3日、または3人で1日分

「単価×人日」で金額が決まる。作業ごとの人日が書かれていれば、どこに手間をかけるかが分かる

どの作業に何人日を見込んでいますか

ページ単価

1ページあたりの金額。下層ページ(トップ以外のページ)に使われることが多い

「1ページ」がどのくらいの量か、会社ごとに違う。原稿や画像の準備が含まれるかも違う

1ページはどのくらいの量を想定していますか

テンプレート数

形の違うページの種類の数。施工例の一覧と、一つひとつの施工例のページなど

ページ数が同じでも、形の種類が多いほどデザインと組み立ての手間が増える

形の違うページは何種類で見ていますか

デザイン費

画面の見た目を作る作業

案の数と、直しの回数で金額が変わる

デザイン案は何案で、直しは何回までですか

コーディング費

デザインを実際のホームページの形にする作業

スマホ表示の作業が含まれるか、別の項目か

スマホでの表示と確認は含まれますか

CMS構築費

公開後に自社で文章や写真を変えられる仕組みを入れる作業

自社で変えられる範囲が会社ごとに違う

自社で更新できるのは、どのページのどこですか

原稿作成費・撮影費

文章を書く作業、写真を撮る作業

入っていなければ、自社で用意する前提になっている

原稿と写真は、誰がどこまで用意しますか

移行費・リダイレクト設定

古いページから新しいページへの転送、ドメインやメールの設定の切り替え

安い見積もりで抜けやすい。抜けていると、後から追加になりやすい

転送の設定と、メールを止めない確認は含まれますか

サーバー費・ドメイン費

ホームページを置く場所と、住所の利用料

制作会社の名義で契約されることがある。年額か月額かも確かめる

契約は御社の名義ですか、当社の名義ですか

保守費・運用費

公開後のサーバーやSSLの管理、部品の更新、修正の対応

月額に何が含まれ、何が別料金かが会社ごとに違う

修正は月に何回・どの程度まで含まれますか

「一式」は悪い書き方ではないが、数字に直してもらう

一式そのものが悪いわけではありません。ただ、中身が数字で書かれていないと、「このページも入っていると思っていた」「直しは何回でもできると思っていた」という食い違いが起きます。アームのコラムでも、一式はページ数とテンプレート数を数字で確かめるよう勧めています。一式のままでかまわないので、ページ数、テンプレート数、デザイン案の数、直しの回数を、見積書の備考に書いてもらいましょう。

「人日」があれば、どこに手間をかけるかが分かる

人日で書かれた見積書は、作業ごとの手間が見えるのが利点です。1人日あたりの単価は会社や担当者の経験で違い、公的に決まった相場はありません。単価の高い安いより、「自社が大事だと思う作業に、人日が割かれているか」を見てください。

届いた見積書を比べる5つの手順

会社ごとに項目の分け方が違うので、次の順番で比べられる形に直します。

  1. 作業の一覧を自分で作る:デザイン、ページの組み立て、スマホ表示、CMS、原稿、写真、移行と転送、メールの確認、サーバー・ドメイン、保守、の行を作ります
  2. 各社の見積書を、その行に振り分ける:「一式」の中身は、聞き返して分かった範囲で振り分けます
  3. 「含む・含まない・超えたらいくら」を書き込む:含まない作業は、自社でやるのか、別に頼むのかを決めます
  4. 最初の費用と月々の費用を、同じ年数で足す:制作費に、保守費やサーバー費の月額×使う月数を足して比べます。アームのコラムでは、月額のものは5年分に直して比べる方法を紹介しています
  5. 差が大きい行の理由を聞く:同じ行で金額が大きく違うときは、作業の量が違うのか、やり方が違うのかを聞きます

手順4では、何年使うつもりかを先に決めておきます。年数で、どの見積もりが安いかが変わります。一括払いと月額制の総額の逆転は、月額制のホームページ制作とはでも説明しています。

並べ直した例

次は、手順1〜3で並べ直したときのイメージです。会社名と中身は説明のための架空の例です。

作業

A社(総額が最も安い)

B社(中くらい)

C社(総額が最も高い)

ページ数・テンプレート数

「一式」とだけ記載 → 聞き返して10ページ・3種類

15ページ・5種類

15ページ・5種類

デザイン案と直しの回数

1案・直し2回

2案・直し3回

2案・直し3回

原稿

含まない(自社で用意)

今のHPの文章をもとに整える

取材して書く

写真

含まない

含まない

撮影1日

転送の設定・メールの確認

含まない(必要なら追加)

含む

含む

保守

別契約(月額は未記載)

月額で記載あり

月額で記載あり

こうして並べると、A社が安いのは、原稿・写真・移行・保守が入っていないからだと分かります。これが自社でできるならA社は良い選択肢ですし、できないなら、足りない作業を足した金額でB社・C社と比べ直します。

相見積もりの取り方

相見積もり(複数の会社から見積もりを取ること)は、取り方で比べやすさが変わります。

同じ依頼メモを全社に渡す

口頭で伝えるだけだと、各社が自分の想定で見積もり、範囲がそろいません。A4で1〜2枚の依頼メモを作り、同じものを渡します。

  • 今のホームページのURLと、作り直したい理由(問い合わせを増やしたい、採用、スマホ対応など)
  • ほしいページの一覧(会社概要、事業内容、施工例、採用、お問い合わせなど)
  • 原稿と写真を自社で用意できるか
  • 今のドメイン、メールアドレスをそのまま使いたいか
  • 公開後に自社で更新したいページ(お知らせ、施工例など)
  • 公開したい時期と、予算の上限(決まっていれば)
  • 見積書に書いてほしいこと(ページ数、テンプレート数、直しの回数、含まない作業)

公開したい時期の決め方はホームページリニューアルのタイミングの決め方で説明しています。

社数と期限

比べる手間を考えると、2〜3社がひとつの目安です。見積もりの提出の期限と、比べて返事をする時期も、最初に伝えておくと各社が動きやすくなります。デザイン案まで作る提案は有料のこともあるので、どこから費用がかかるかを最初に確かめてください。

個人の制作者に頼む場合

フリーランス(個人で仕事を受ける制作者)に頼む場合、2024年11月1日に施行されたフリーランス・事業者間取引適正化等法により、発注する側の会社に、作業の内容、報酬の額、支払期日などの取引条件を示す義務があります。見積書を受け取るだけでなく、自社からも条件を書面やメールで示す、と覚えておきましょう。

依頼先の会社の選び方そのものは、ホームページ制作会社の選び方にまとめています。

見積書を受け取ったら聞き返す質問

分からない所は遠慮せず聞き返し、答えはメールでもらっておきます。

  1. この「一式」に含まれるページ数とテンプレート数を教えてください
  2. デザイン案は何案で、直しは何回まで含まれますか。超えたらいくらですか
  3. 原稿と写真は、誰がどこまで用意する前提ですか
  4. スマホでの表示と確認は含まれますか
  5. 古いページからの転送の設定は含まれますか。転送する数に上限はありますか
  6. ドメインやメールの設定に触れますか。メールを止めないために、どう確かめますか
  7. サーバーとドメインは、誰の名義で契約しますか
  8. 保守の月額には、何が含まれますか。修正は月に何回・どの程度までですか
  9. 公開後にページを足すと、1ページいくらですか
  10. 契約をやめるとき、ホームページのデータやドメインを持ち出せますか
  11. 見積もりの金額は税別ですか、税込ですか。見積もりの有効期限はいつまでですか

保守の月額の中身をもう少し詳しく知りたい場合は、ホームページの保守費用は何に払っているのかを参考にしてください。

ケース別の判断

1社だけ極端に安い

まず、上の手順で並べ直します。多くの場合、原稿・写真・移行・保守のどれかが含まれていません。含まれていない作業を自社でできるなら、その見積もりを選ぶ理由があります。できないなら、その作業を足した金額を聞いてから比べます。

見積書が「一式」の1行だけ

断る前に、ページ数、テンプレート数、直しの回数、含まない作業を書き足してもらえるか頼みます。書き足しを渋る場合は、契約の前に範囲を書面で確かめられないので、慎重に考えます。

最初の費用を抑えたい

制作費を払わずに月々払う月額制も候補です。たとえばAKIMAの「HPもう、つくってます」は初期費用0円・月額19,800円(税別)で、原稿の作成や、ドメイン・メールの確認と移行の代行、保守と軽微な修正を月額に含めています。契約期間は12か月で、12か月ごとに自動更新し、期間中に解約する場合は残りの月数分を一括で支払います。初月(お申し込み日から1か月)は無料で、その期間中は0円で解約でき、お申し込みにはクレジットカードの登録が必要です。月額制を比べるときは、手順4のとおり同じ年数で総額を出し、契約期間と解約の条件も並べてください。詳しくは料金のページで確かめられます。

よくある質問

見積もりを取ったら、その会社に頼まないといけませんか?

見積もりを取っただけで、頼む義務はありません。ただし、デザイン案の作成など、事前に有料と伝えられた作業を頼んでいた場合は、その分の費用がかかります。

見積もりの金額から、あとで増えることはありますか?

あります。ページや機能を足したとき、原稿や写真を途中から頼んだとき、転送するページが想定より多かったとき、直しの回数を超えたときなどです。見積書の段階で「超えたらいくら」を書いてもらうと防げます。

見積もりの前に、自社で準備しておくことはありますか?

今のホームページのドメイン、サーバー、管理画面の名義とIDを確かめておくと、移行の作業が見積もりに正しく入ります。自社のHPの今の状態は、HP年齢診断でURLを入れると、スマホ対応やHTTPS、お問い合わせの入口などをまとめて確かめられます。

この記事の一次情報

・料金の例は、AKIMAの実際の料金条件と、月額に含まれる内容です(初期費用0円、月額19,800円(税別)、原稿の作成・ドメインとメールの確認と移行の代行・保守と軽微な修正を含む、契約期間12か月で自動更新、期間中の解約は残りの月数分を一括、初月無料で期間中は0円解約、クレジットカード登録が必要)。 ・見積書を並べ直した例(A社・B社・C社)は、説明のために作った架空の例です。

出典

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